他者視線恐怖
(症状と、改善のポイント)
人の視線が気になり、ぎこちなくなってしまうという形で現れてくるのが、他者視線恐怖とか、他者視線恐怖症と言われている症状になります。
この症状は視線恐怖症の中でも一番多く見られる症状だと言って良いと思います。
つまり、ただ、視線恐怖症と言った場合は、他者視線恐怖だと言っても良いと思います。
日本人は農耕民族の血を引いているために、また、村社会という伝統があるために、恥とか見栄といった形で、他人の目を気にする傾向が外国の人よりも強いように感じます。
イギリスはどちらかというと日本に近いようですが、それでも、日本人ほどは人見知りをしたり、他人の目を気にしないのではないかと思います。
そして、こういう民族性も影響して、日本人には対人恐怖症が多いと良く言われますが、この中でも、この他者視線恐怖が多く見られるのだと思います。
しかし、他者視線恐怖の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、人目に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。
ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。
つまり、薬を飲んだり、催眠をかけてもらえば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。
最近は、インターネットサイトの中で、視線恐怖症や対人恐怖症などの神経症が、すぐにでも治るといった内容のものもありますが、これはあまり信頼できないところだと思います。
つまり、視線恐怖症や対人恐怖症などの神経症は、長い年月をかけて身につけてきたマイナスの「クセ」によって起こっているものだからなのです。
つまり、このマイナスの「クセ」を直すためには、どうしても、数カ月以上の時間は必要になってくるものなのです。