横目恐怖
(症状と、改善のポイント)
目的以外の方に視線が行ってしまい目的に集中できないと悩むのが、横目恐怖とか横目恐怖症と言われている症状になります。
例えば、授業中や映画館などで、横の人に視線が行き、それによって、その人に迷惑がかかり、相手が落ち着きがなくなると感じ、悩んでしまう状態を言います。
つまり、この症状の場合は、自分のせいで相手が迷惑しているように感じてしまうところに特徴があると言って良いのではないかと思います。
脇見恐怖の場合は、どちらかというと自分が周りの人から変に思われるのではないかと感じるのですが、横目恐怖の場合は、自分が見た相手が嫌な思いをしてしまうと感じるものなのです。
こういう意味で、横目恐怖の場合は、加害恐怖症の要因も入ってくるように思います。
しかし、横目恐怖の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、人の思惑に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。
ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。
つまり、薬を飲んだり、催眠をかけてもらえば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。
最近は、インターネットサイトの中で、視線恐怖症や対人恐怖症が、すぐにでも治るといった内容のものもありますが、これはあまり信頼できないところだと思います。
つまり、視線恐怖症や対人恐怖症は、長い年月をかけて身につけてきたマイナスの「クセ」によって起こっているものですから、このマイナスの「クセ」を直すためには、森田療法に沿って正しい方向の努力をしたとしても、数カ月以上の時間は必要になってくるものなのです。