脇見恐怖
(症状と、改善のポイント)
見てはいけない所に目が行ってしまい、人に変に思われると感じて悩むのが、脇見恐怖とか脇見恐怖症と言われている症状になります。
例えば、若い男性であれば、若い女性のお尻とか太股などに目が行きやすいものですが、このことで、周りにいる人達から変に思われると感じ、悩んでしまうことが多いものです。
人間というのは不思議なもので、見てはいけないと思うと、逆に目が向いてしまうことが多いものなのです。
森田療法では、感情は人間の自然現象であり意志の自由はないと言っていますが、無理に感情を変えようとしてしまうと、逆に、よけいに強くなってしまうものなのです。
ですから、見てはいけないと思うと、逆によけいに見たくなってしまい、目が向いてしまうということになるのだと思います。
そして、普段の生活の中では、異性の性的な部分が見てはいけないと考えられることが多いために、この部分に脇見恐怖の症状が起こることが多いように思います。
最近は、女子高生の制服のスカートの丈が短くなっていますので、男性であれば、どうしても太股に目が行ったりしやすい傾向もあるのではないかと思います。
また、女性の場合でも、男性の股間に目が行ってしまうということで悩んでいることもあるのではないかと思います。
しかし、脇見恐怖の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、視線に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。
ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。
つまり、薬を飲んだり、催眠をかけてもらえば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。
最近は、インターネットサイトの中で、視線恐怖症や対人恐怖症が、すぐにでも治るといった内容のものもありますが、これはあまり信頼できないところだと思います。
つまり、視線恐怖症や対人恐怖症(あがり症)は、長い年月をかけて身につけてきたマイナスの「クセ」によって起こっているものだからなのです。
ですから、このマイナスの「クセ」を直すためには、森田療法に沿って正しい方向の努力をしたとしても、数カ月以上の時間は必要になってくるものなのです。